大宮盆栽調査隊レポート(5)ヨーロッパ編

今日は、オランダ ライデン地区へ行ってきました。
ここは大学や美術館が多く集まっている街で、歴史のある建物も多いのですが、それほど観光客も多くなく、落ち着いた趣のある街でした。

はじめに向かったのは、ライデン大学。
この大学は、オランダで最古の大学(1575年!)で、世界ではじめて日本学科が設けられたという日本研究や日本語教育の拠点となっている大学です。

お話をお伺いしたボート教授は、旭日中綬章を受賞されている方で、日本の歴史文化にも非常に造詣が深く、流暢な日本語でスムーズにヒアリングが進みました。


日本学科の生徒さんは毎年130人くらいで、マンガなどをキッカケに日本語を勉強したいという意欲が芽生えるとか。茶道、華道、武道、能など日本の美的感覚、精神に惹かれるそうです。
ただ言語を覚えることに意味はなく、日本史や文学史など社会文化の知識も修得されるようです。
Bonsaiという言葉自体は一般に広く認知されているそうですが、実際所有してる方は余程の親日家くらいだとか。

日本の食べ物、寿司なども人気はあるが値段が高いのと、きちんとした内容で提供しているところは少なく、非常に勿体無いと。日本には様々や資源、魅力があるのにそれぞれバラバラに活動していて、束ねるところがないのが勿体無いとおっしゃっていました。確かにその通り。核心をついてました。

大宮盆栽だけの観光ツアーでは一般的なオランダ人にはなかなか誘客は難しいが、他の観光地と回る組み合わせができれば充分魅力的になるだろうというアドバイスをいただきました。
なるほど、なるほど。
「つい、盆栽。」アプリの話をすると、「たまごっちみたいなもの?」という答えが返ってきて、大笑い。本当に日本の事をよくご存知でした。
来年はオランダで10年に一度のフロリアード展、ここでも盆栽をアピールするには絶好の機会であるとのアドバイスも。
様々な面でアドバイスいただき、大変参考になりました。

続いてシーボルトハウスへ。


江戸後期、長崎の出島で鎖国時代の日本と欧州の唯一の窓口となっていたシーボルトが日本から持ち帰った品々を展示している施設です。
詳細はここでは書ききれませんが、シーボルトは、世界ではじめて日本を海外に体型的、包括的に紹介された歴史的人物です。
シーボルトハウスでは、様々な企画展も多く開催され、訪問時は「ハローキティーハローオランダ」展を開催していました。

来館者の多くはオランダの方だそうで、親日家も多いそうです。
オランダの方は世代によって日本への興味が異なるとか。若い世代はアニメなどのサブカルチャー、40代以上では浮世絵、茶道、武道など、またアーティストなどには和紙も人気があるそうです。
古いものから最新のものまで、日本文化の発信拠点として今後も繋がりをもたせていただけるようご依頼してきました。

続いて今度はライデン郊外の一般的なご家庭を訪問させていただきました。
オランダは近年移民が増えているということもあり、ミャンマーご出身の女性のお宅にお邪魔させていただきました。
これまでのヒアリングは盆栽界に近いかたが多かったので、ホントに普通に暮らしてるかたの盆栽に対するイメージなどをお聞きしてきました。
盆栽という言葉、内容は勿論ご存知でした。しかし、日本の盆栽は高い、お金持ちの趣味という印象だそうです。またオランダは寒過ぎて日本の盆栽は育たないのではないかと。彼女も園芸、個人農園が趣味で、盆栽も一鉢お持ちでしたが、日本のものではありませんでした。

近所のショッピングセンターでインテリアの一つのような感覚で購入されたそうです。その後、植え替え、肥料などの手入れをなさっているそうです。


肥料

日本への親しみはあり、お寿司も好きだけど日本のとはちょっと違うというのもご存知でした。いつかリアル日本のお寿司を食べに日本に行ってみたいとおっしゃってました。

ということで、本日のヒアリングも終わったのですが、オランダでも人気のお寿司、前回お伝えしたようにスーパーでも売られています。前回は「中くらい」でしたが、「大きい」「小さい」も入手しましたので、おまけでどうぞ!

次はオランダ最終日です!

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