寛政11年(1799年)に、岩槻藩士の儒学者児玉南柯(こだまなんか)が創設した私塾であり、文化年間に藩校となりました。 儒学を中心に講義が行われ、藩士の子弟たちがここで学びました。
建物は武家屋敷を利用したものであり、木造平屋建て、茅葺屋根の構造です。 現在では江戸時代に児玉南柯が創設した当時の姿に復元され、吹きさらしの玄関や漆喰の壁、生徒の入口を設けています。埼玉県内に現存する唯一の藩校でもあります。
「児玉南柯」とは?
延享3年(1746年)に甲府の豊島家で生まれ、11歳で岩槻藩士の児玉親繁(ちかしげ)の養子になりました。16歳のとき藩主大岡忠喜(ただよし)に仕え、23歳で江戸の藩邸に勤務し、以後様々な要職を歴任し、安永9年(1780年)の南京船漂着事件の処理で名声を挙げました。
その後職を辞し、研究生活を続けるかたわら藩主の侍読などを務め、寛政11年(1799年)に家塾遷喬館を開設し、岩槻藩の子弟教育に情熱を注ぎ込んだ儒学者です。
「遷喬館」の名称について
詩経(中国最古の詩集)の「出自幽谷 遷干喬木」に由来しています。
学問を欲し友を求めることを鳥が明るい場所を求めて暗い谷から高い木に飛び移ることにたとえた内容で、ここで学ぶ物に高い志を持つことを促したものです。
利用案内
開館時間 | 9時〜16時30分 |
---|---|
定休日 |
月曜日(祝日の場合は翌日) 祝休日の翌日 年末年始 |
入館料 利用料 |
無料 |
アクセス
さいたま市岩槻区本町4-8-9
TEL.048-757-5110
東武アーバンパークライン(野田線)「岩槻駅」より徒歩7分
■駐車場
なし
なし